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Happiness day

第27章 movin’ on

翌日も、雅紀の運転する車で愛護センターに向かう

「カズとジュン、待っててくれるかなぁ…」

楽しそうな雅紀の声

「待ってるよ
2匹とも雅紀の事好きだって、大野さんが言ってたじゃん」

「そうだよねぇー。大野さんが言うんだから間違いないよね
でもさ、アイツら、俺の事よりも、大野さんの事の方が好きなんだよ?」

「そうなのか?まぁ、わからんでもないけど…」

あの人の滲み出る優しさは、2匹…いや、あそこにいる動物みんなが感じているだろう

「カズとジュンの育ての親って、大野さんなんだ」

「え?育ての親?
それって、あそこにいるみんなそうなんじゃ…」

他にもスタッフさんたちが何人かいたけど
あそこで働く人みんなが、あの子たちの育ての親と言っていいだろう

「そうなんだけど
あの2匹にとって、大野さんは特にね…
生後間もなく捨てられてたカズとジュンは、ミルクを飲ませなきゃいけなくて
それって、あの施設の中だけじゃ足りないんだ
家に連れて帰って、24時間一緒にいて、世話してやらなきゃならない」

「あ、そっか…」

「それをしてたのが大野さんで…
だから、大野さんにしてみても、あの2匹にはちゃんとした飼い主に引き取ってもらって、しわあせに暮らしてもらいたいと思ってるんだよ」

最初に拾った双子の想いと、大野さんの想いをその身に感じたカズとジュン

そして、その想いを引き継いで、雅紀が引き取ろうとしてる

捨てられた事は哀しい事だけど、今のカズとジュンはしあわせだよな

「良い人に巡り会えたな…カズとジュンは」

「うんっ!そうだね!」

嬉しそうな雅紀

わかってる?お前も含めて言ってるんだからな?

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