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Happiness day

第28章 Crasy Moon ~キミ•ハ•ムテキ~

トントン…ガチャッ…

ノックされた後、勢いよくドアが開く

「智っ、お待たせっ…
あっ!ごめんなさい!」

開いたドアから姿を見せたのは翔
今日は、これからデートの予定

ニノが居たのを、お客さんだと勘違いしたのか
ドアを閉めようとするから、慌てて止めた

「大丈夫!客じゃないから!」

「え?」

翔は閉まりかけたドアから顔を出し、中にいる人物を確認した

「あ、二宮さんでしたか」

ドアを閉め、こちらに歩いて来る

翔に名前を呼ばれたニノが、俺の方を見て助けを求める様な目をした

言葉にせずともニノの言いたい事は分かる…

『誰?』…そう聞きたいんだろ?

ニノが知ってるのは、前髪と眼鏡で、顔が半分隠れてる翔だけ

今の翔は、ちゃんと髪もセットされてるし、眼鏡も掛けてない
綺麗な二重の目が、まるっと見えている

きっと、全くの別人に見えてる事だろう

「櫻井さんだよ」

俺が教えてやるとニノの目が見開いた

「……へっ⁈櫻井さんって、あの櫻井さん?」

俺とニノが共通して知ってる『櫻井さん』は、翔しかいない

「そう。その『櫻井さん』」

俺の隣に立った翔が、頭をペコっと下げる

「ご無沙汰してます」

「え?なんで?今、『智』って呼んだよね?
いつの間にそんな親しくなったの?」

「モデルやって貰った時から」

別に翔との関係を隠す気もないから、正直に言った

「モデル?」

ニノが翔の顔をジッと見ると、漸く気が付いたようだ

「まさかっ、月の女神⁈」

「ふふっ、そう。そのまさか」

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