Happiness day
第11章 Your Eyes
智くんは、多くの人から愛されている
メンバーもまた然り…
宿題で提出された他の3人の絵も、描かれていたのは智くんだった
みんなそれぞれに個性が出てて
みんな智くんの事が好きなんだなって伝わって来たよ
智くんはみんなのモノ…
グループを結成した時からの暗黙の了解
それなのに、いっときとは言え
智くんを独り占めした亀ちゃんが羨ましかった
そして、押し込めて来た自分の願望に気付かされる
『智くんを独り占めしたい』
そんな事、不可能なのに…
自由を望むあの人が、誰かひとりのモノになるなんてあり得ないのに…
「翔くん、ちょっといいか?」
個展の開催を伝える動画を収録した日
帰り際、智くんに声を掛けられた
「ん?なに?」
「翔くんに見て貰いたい物があるんだけど
この後って、時間空いてる?」
「うん。もう帰るだけだから、空いてるけど?」
「ならさ、これから家に来てくれない?」
「大野さんの家?ここでじゃなく?
仕事場に持って来られないような物なの?」
智くんの家にお邪魔するなんて、初めての事だ
何か見せたい物があると言っても
わざわざ家まで招くなんて、余程の物なのか?
「ちょっと持ってくるのは…
家に来て貰うのは難しい?」
「あ、ううんっ。大丈夫…
大野さんから誘われるのが意外だっただけ」
「初めてだもんな、翔くんを家に誘うの」
「うん。だから軽く驚いてる」
「そっか」
ふにゃっと笑った智くんが、その後聞き取れないくらいの声で呟いた
「…でも家に来たら、もっと驚くかも」
「え?なに?」
「ううん、なんでもない
じゃあ、行こっか
マネージャー待たせてるから」
「うん」
メンバーもまた然り…
宿題で提出された他の3人の絵も、描かれていたのは智くんだった
みんなそれぞれに個性が出てて
みんな智くんの事が好きなんだなって伝わって来たよ
智くんはみんなのモノ…
グループを結成した時からの暗黙の了解
それなのに、いっときとは言え
智くんを独り占めした亀ちゃんが羨ましかった
そして、押し込めて来た自分の願望に気付かされる
『智くんを独り占めしたい』
そんな事、不可能なのに…
自由を望むあの人が、誰かひとりのモノになるなんてあり得ないのに…
「翔くん、ちょっといいか?」
個展の開催を伝える動画を収録した日
帰り際、智くんに声を掛けられた
「ん?なに?」
「翔くんに見て貰いたい物があるんだけど
この後って、時間空いてる?」
「うん。もう帰るだけだから、空いてるけど?」
「ならさ、これから家に来てくれない?」
「大野さんの家?ここでじゃなく?
仕事場に持って来られないような物なの?」
智くんの家にお邪魔するなんて、初めての事だ
何か見せたい物があると言っても
わざわざ家まで招くなんて、余程の物なのか?
「ちょっと持ってくるのは…
家に来て貰うのは難しい?」
「あ、ううんっ。大丈夫…
大野さんから誘われるのが意外だっただけ」
「初めてだもんな、翔くんを家に誘うの」
「うん。だから軽く驚いてる」
「そっか」
ふにゃっと笑った智くんが、その後聞き取れないくらいの声で呟いた
「…でも家に来たら、もっと驚くかも」
「え?なに?」
「ううん、なんでもない
じゃあ、行こっか
マネージャー待たせてるから」
「うん」