
Liar × Lover
第2章 Between the sheets
「 ………分かった。」
誠斗さんはそれだけ言うと、私の右頬に
そっと自分の左手を添えた。
まるでガラス細工を扱うかのように
彼の綺麗な親指が優しく私の頬を撫でる。
男の人に身体を触(さわ)られるのが
ひさしぶりだからか、肩が
ピクンと跳ねてしまう。
ひさしぶり過ぎる感覚に耐えられず
私はキュッと両目を瞑った。
「 可愛い反応…………。」
さっきまでの優しい彼とは違う
妖艶で色っぽい、甘い声。
あまりにも色っぽく、改めて
彼を『 1人の男性 』だと
意識させるような声に思わずゾクッとする。
そして、誠斗さんは唇に触れるか
触れてないか分からないくらいの軽いキスを
私の唇に落とした。
「 ベッド、行こっか。」
「 …………………はい。」
彼は優しく微笑むと、私の手を握った。
ベランダのドアを開け、再び部屋の中へと
連れて行く。
