
Liar × Lover
第5章 Nikolaschka
「 颯斗…… アイツ……………… 」
颯斗の存在に気付いた誠斗さんが
ポツリと呟く。
その声は聞こえるか聞こえないか
分からないくらいの声だったが
怒りが込められているのが分かる。
誠斗さんは颯斗の元へと近付こうとしたが
私は咄嗟に彼を引き止めた。
「 誠斗さん、ダメ…………!!」
「 なんで…!!!
お前は彼氏が自分との予定を
ドタキャンしておいて浮気してるのを
簡単に許せるのか……!?」
今までずっと優しかった誠斗さんが
初めて、私に声を荒げた。
