テキストサイズ

君の光になる。

第1章 プロローグ

 二十三歳の立花夕子《たちばなゆうこ》は自分の顔を見たことがなかった。
 
 母親によると1歳半まで見えていたそうだ。なので、夕子は自分の顔を見たことがないというより、覚えていないというのが正しい。
 
 ただ、彼女は全く見えない暗闇の世界ではなく、光はボンヤリと感じている。誰かが通ると「誰かが通った」くらいは知ることが出来た。
 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ