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君の光になる。

第11章 ハッピーエンド

 始発電車が走り始めるころ、二人はホテルを後にした。安倍のと繋がっていた場所に少し違和感を覚えたが、辛くはなかった。
 
「雨、止みましたね」
 
 昼間とは違い、透き通るような空気の匂いがした。バイクの音があちらこちらと走り回っている。
 
「ええ、東の空が少し明るくなってきましたよ。今日は晴れですよ」
 
「こんなに朝早くお散歩するなんて気持ちいいですね」
 
 夕子は大きく息を吸い込んだ。

 二人の間に沈黙が続いた。
「あの……」
 
「はい……?」
「僕と一緒になってもらえませんか?」
 
 真っ直ぐな安倍の声だった。
 
「嬉しい……。でも、私は目が……」
 
 結婚は諦めなければ、と誰から言われた訳ではなく夕子自身、子ども頃からそう思っていた。
 
「言ったじゃないですか、僕が立花さん……君の光になりますから……」
 
 安倍の真っ直ぐな声が夕子の心を動かした。

そして……。

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