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君の光になる。

第2章 再会

 点字ブロックを探り方向を確かめる。手のひらにスーツと感じるのは誘導ブロックだ。
 
 肩先に誰かの肩が触れる。四方から雑踏を感じた。白杖の先がトンと滑る感じがした。
 
 足下でコロンという音がした。
 
 ――あっ……。
 
 目の前が真っ暗になったような感じがした。夕子は膝をついて手で探る。熱気で熱くなった固いコンクリートを感じた。靴の音が大きくなった。
 
「ほら、こんな所でしゃがむなよ。おいっ」
 
 中年男の声が吐くように言った。
 
 コロ、コロン……。
 
 白杖の音が遠ざかった。
 
「ああ、すみません。すみません……」
 
 夕子は何度も頭を下げた。視力が弱い者にとって白杖はその者の目だ。
 
 目の前が真っ暗になった。
 
「すみません、すみません……」
 
 と言う声と共に、あのトニックシャンプーの匂いが近づく。

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