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その瞳にうつりたくて…

第3章 再会




「それ、幽霊じゃないんですか?」
「はぁ、幽霊ですか?」

その日の帰り道、俺は平井先生の誘いで焼き鳥を食べに来ている。
平井先生に、今日出会った女性の話をしてみた。
もしかしたら、平井先生のクラスの生徒かも知れないと思ったからだ。

しかし、先生のクラスにそんな生徒はいないとのこと。
まず、先生のクラスの生徒達はほとんどが歌手志望。
ピアノを弾ける生徒は少なく、弾けたとしても茶髪のロングヘアーの生徒はいない。

それに
「第三音楽室って、確かもうすぐ改装工事があるらしいですよ」

第三音楽室は、うちの学校が設立された当初、一番最初に出来た音楽室で
防犯設備も甘くピアノもかなり年季の入った古い代物。
音漏れも著しく音楽室として使えないのでもうすぐダンスレッスン室に作り変える予定だという。

「例えうちのスクールの生徒だとしても、そんな誰も使ってない第三音楽室でピアノの練習をする生徒なんていませんよ~」

煙が充満するカウンターに横並びで座り、平井先生は注文したねぎまをもぐもぐと食べながら俺にそう話してくれた。

もうすぐ改装工事?
平井先生のクラスの生徒でもなければ、他のクラスの生徒の可能性も少ない?

だとしたら、あの子は本当に幽霊だったのだろうか?
学校にはよくある学校の怪談や七不思議みたいなもんなのか?

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