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その瞳にうつりたくて…

第4章 she is...

……危険だってわかってるのに、そんな目で見つめるなよ。
そんな目で見つめられても。

あぁ、もう…っ!!


「うん、じゃあ、友達って事で…」
「本当?よかったぁ!!」


そんな…、嬉しそうな顔で微笑まないでくれ。
そばにいたらダメだって頭ではわかってるのに。

俺と友達になれたのが嬉しいのか、彼女はまたあの柔らかそうな笑顔で俺に微笑んでくれている。



――――ズキッ…。




胸が…、締め付けられた。
俺は彼女を騙してる。
俺の正体を隠して彼女と友達になってしまった。

彼女に会いに来て、彼女に嘘をつく度に自分の首を締めてるのに
後で辛くなるのはわかってるのに。

どうして俺は彼女に会いに来てしまうんだろう。



どうして、彼女の笑顔を見たくなるんだろう。
彼女を傷つけてはならない。
目が悪いのをいいことに彼女に近づき、彼女を騙し、最後は彼女を傷つけるだけだとわかってるのに。

こんな俺に、彼女の笑顔を見る資格なんてないはずなのに。







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