女忍者(くのいち)忍者狩りに遭う。
第2章 小さな茶屋
「ああ、ううん……」
私は、燻した茶の香りに揺り起こされた。辺りを見渡す。どこかで打ち付けたのか、身体中が痛くて自由に動かせなかった。
「ああ、娘、人を探しているのだが……」
障子越しに男の野太い声が聞こえた。大きな声だ。
「いいえ、娘などここには……」
「だが、この辺りの聞き込みで、昨夜若い女がここに運び込まれたようだと聞きつけたものでな」
「それで、その方が……」
「女忍者《くのいち》と言うくらいで、今は詳しく申せんのだ……。分かった。他を当たってみるよ」
「……申し訳ありません。お役に立てずに……」
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サ……。静かに障子戸が滑った。朱色の格子の着物に赤い前掛をした丸顔の女性が私の顔を覗き込む。
私は、燻した茶の香りに揺り起こされた。辺りを見渡す。どこかで打ち付けたのか、身体中が痛くて自由に動かせなかった。
「ああ、娘、人を探しているのだが……」
障子越しに男の野太い声が聞こえた。大きな声だ。
「いいえ、娘などここには……」
「だが、この辺りの聞き込みで、昨夜若い女がここに運び込まれたようだと聞きつけたものでな」
「それで、その方が……」
「女忍者《くのいち》と言うくらいで、今は詳しく申せんのだ……。分かった。他を当たってみるよ」
「……申し訳ありません。お役に立てずに……」
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サ……。静かに障子戸が滑った。朱色の格子の着物に赤い前掛をした丸顔の女性が私の顔を覗き込む。