女忍者(くのいち)忍者狩りに遭う。
第1章 一里塚で
青い匂いが強くなった。
その場にうつ伏せて目を閉じて、全身の力を抜く。
固いつま先が私の頬を蹴った。身体がまるで丸太でも転がすように仰向けにされた。
「ああ……多分な」
と、低い男の声のあと頬を軽く二度、三度と叩かれた。
恐らく敵は二人か。
「兄貴、とどめは……」
と、かすれ声が言った。スッと空気を切るような音がした。鯉口を切る音――刀を鞘から抜いたときの音。恐らく普通の人には聞こえない、忍びだからこそ聞こえる音。
刀を持っているのか。
「いや、それより金目の物はねえのか」
と、低い声が言った。着物の袖がゴソゴソと探られたあと、荒々しく胸元が開かれた。
「おや、胸元までさらしとは……。もしや、女子《おなご》か」
「おい、先に行くぞ」
と低い男の声。ガサガサという草むらを踏む音が遠ざかる。
さらしは現在の下着の機能を兼ねていた。男の固く大きな手で、さらしが引き下ろされた。押さえつけられていた胸の膨らみが搾り出されるようにさらしから溢れるのが分かった。脇の方に水袋のような自分の胸の重みを感じた。
その場にうつ伏せて目を閉じて、全身の力を抜く。
固いつま先が私の頬を蹴った。身体がまるで丸太でも転がすように仰向けにされた。
「ああ……多分な」
と、低い男の声のあと頬を軽く二度、三度と叩かれた。
恐らく敵は二人か。
「兄貴、とどめは……」
と、かすれ声が言った。スッと空気を切るような音がした。鯉口を切る音――刀を鞘から抜いたときの音。恐らく普通の人には聞こえない、忍びだからこそ聞こえる音。
刀を持っているのか。
「いや、それより金目の物はねえのか」
と、低い声が言った。着物の袖がゴソゴソと探られたあと、荒々しく胸元が開かれた。
「おや、胸元までさらしとは……。もしや、女子《おなご》か」
「おい、先に行くぞ」
と低い男の声。ガサガサという草むらを踏む音が遠ざかる。
さらしは現在の下着の機能を兼ねていた。男の固く大きな手で、さらしが引き下ろされた。押さえつけられていた胸の膨らみが搾り出されるようにさらしから溢れるのが分かった。脇の方に水袋のような自分の胸の重みを感じた。