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チャイナドレス姿の女

第8章 赤い月

都市と云う名の果てのない砂漠で漂泊の旅を続ける女装娘が、若し、遥か彼方に蠢く動物の姿を発見し、地平線に巻き起こる砂塵を見て直に敵の陣形を察知し得ないようでは彼らは窮し、絶命する他ないのだ。サマリアの女の喩え話は辺境の地にある者にこそ神は寵愛を与えると云う喩え話であるが、理由は兎も角、ホームレス状態に陥った私は現実は少しも頼るに足らない儚い世界だと云う事を知った。あらゆる事象の裡に神の無限の善性は徴と化して現れている。

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