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小さな妻

第2章 2.ことのはじまり

ある日、部屋が手狭になったために古いパソコンを粗大ごみに出そうとして部屋の前でゴソゴソやっていると、後ろから声をかけられた。

「それゲームですか?」

振り向くとそこには美優が立っていて、午後の太陽光線を背にしたその姿は光り輝いていた。

普段自慰行為のペットにしている女性がいきなり目の前に現れたら男性はたじろぐものである。

「そ、そうですよ」

と私は30歳も年下の少女に敬語で答えていた。

「うん、ゲームもできるけど、パソコンなんだ」

と答えると、美優は「捨てるの?」のと言い、その雰囲気から彼女がゲームを欲しがっていることが分かった。


私の心の中はかき乱された。欲していたものが目の前に現れ、そしてもう少しで願望が叶えられる。

彼女を部屋に引き込みたくなった。

しかし、それをしてしまうと私は破滅である。


現代の世の中は幼児性愛者に対して極端に厳しい非難と罰を与える。

もし、そんなことをすれば私は犯罪者だ。

しかし、私の胸の奥の方に着火した火種はグルングルンと回転しながら徐々に大きく成長した。

目の前で光り輝きながらにこやかに私に笑顔を送る、極上の果実のような少女は、警戒心もない。


私は長い沈黙に耐えられなくなり、取り敢えず何か喋ろうと焦った。

そして、焦った私は言葉が見つからなくなりコントロールが効かなくなった。

私は彼女を《誘う》方向に、無意識に持っていこうとしていた。


「ゲーム好きなの?これはもう壊れちゃてるからね。うちにはたくさんあるよ」

というと、美優は飛び上がらんばかりの勢いで喜んだ。

「見たい!」

最近の女の子は家で不審人物に近づかないように教育されているものだが、美優は違うようだ。

彼女の母も知っているが、美優には似ていなくて、少しぽっちゃりとしている美優とは違うタイプの美人だ。


どこかほんわりとした雰囲気を持っている女性で、この団地で住民たちに気味悪がられている私にも、会ったときに気さくに挨拶をしてくれる希少な存在だった。

私は美優が喜んだことが嬉しくなり、邪な思いは消え去り、たんに子供の要求に答えてやろうという健全な思いで彼女を部屋の中に入れた。

美優は部屋の中に入ると、パソコンだらけの私の部屋を見て強く反応して感嘆の声を上げた。

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