ダブル不倫
第17章 上司里井
菜々葉が里井のマンションに来て、二日が経とうとしていた。その間、里井は体調不良という名目で休んでいた。
「あ、ああ……。うん、俺も今見てるよ。ああ、色々すまんな」
里井は肩にスマホを挟んで何やら話をしている。
「おはよう……ご……」
里井は目を覚ました菜々葉に手のひらを見せる。
里井は自分の唇に人差し指を当てシーっという仕草を菜々葉に見せ、顔を上にしゃくる。里井の鼻先がダイニングに据えた大型テレビを指していた。そこには『地方銀行 個人情報窃盗事件。取引先の女性社員 逮捕!」の赤い文字が踊っていた。
「えっ……?」
《――――
繰り返しお伝え致します。☓☓警察本部は、先日の地方銀行○☓バンク個人情報窃盗の事件で、取引先の情報処理会社の社員、坂村美希さんを窃盗教唆の疑いで、今日の未明に逮捕した、との発表がありました。なお、この事件での被害額は……。
――――》
と、朝のニュースバラエティ番組の中年アナウンサーが神妙に伝えた。
――捕まった。美希が捕まった?
ガクガクと身体が震えた。
「あ、ああ……。うん、俺も今見てるよ。ああ、色々すまんな」
里井は肩にスマホを挟んで何やら話をしている。
「おはよう……ご……」
里井は目を覚ました菜々葉に手のひらを見せる。
里井は自分の唇に人差し指を当てシーっという仕草を菜々葉に見せ、顔を上にしゃくる。里井の鼻先がダイニングに据えた大型テレビを指していた。そこには『地方銀行 個人情報窃盗事件。取引先の女性社員 逮捕!」の赤い文字が踊っていた。
「えっ……?」
《――――
繰り返しお伝え致します。☓☓警察本部は、先日の地方銀行○☓バンク個人情報窃盗の事件で、取引先の情報処理会社の社員、坂村美希さんを窃盗教唆の疑いで、今日の未明に逮捕した、との発表がありました。なお、この事件での被害額は……。
――――》
と、朝のニュースバラエティ番組の中年アナウンサーが神妙に伝えた。
――捕まった。美希が捕まった?
ガクガクと身体が震えた。