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ダブル不倫

第18章 接見

 数週間後、弁護士の洋から電話がかかってきた。内容は、美希が釈放されるとのことだった。
 
「男が顧客情報を無許可に持ち出したんだと……」
 
「USBメモリにコピーしたそれを……ですか?」
 
「ああ、美希に……貢いでいたんだそうだ」
 
「……貢いでいた? なんで……?」
 
「交際したかったんだと、坂村とな。しかし、メモリの中身を美希が知ったのは、警察に逮捕されてからで……。二人の話につじつまが合わねえってことで、調べたらそうだったらしいぞ」
 
「じゃあ、二人とも……」「いや、男は窃盗で起訴されたんだそうだ。けど、執行猶予になるんじゃねえかって」
 
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 奈々葉は夫の信也に電話した。か細くなっているが、声から伝わる彼の誠実さは変わっていなかった。
 
「……ねえ、信也さん、美希が明日、保釈されるんだって……」
 
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 次の日の夜、洋から連絡があった。
 
「美希、保釈されたんだと。洋によると、若え真面目そうな男が迎えに行ってたそうだぜ。誰が、教えたんだろ? まさか、お前じゃねえよな、奈々葉?」
 
「ああ、そうなんだ」と奈々葉は素っ気なく答えた。
 
 ――よしっ!

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