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ダブル不倫

第8章 一時間早く

 菜々葉は窓際にある大きな壁掛時計に目をやった。針は八時二十七分を指していた。
 
 菜々葉はハッとして我に帰った。胸が高鳴っていた。身体が熱かった。キスをして胸が高鳴ることなど、ファーストキス以来だ。
 
 ――キャア……とうとう部長と……。
 
「もう……部長ぅ……私……」
 
 菜々葉は里井の胸元に顔を寄せる。
 
「ご、ゴメン……俺……」
 
 ――なんで、なんで謝るの?
 
 里井の胸に抱きしめられる。
 

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