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ダブル不倫

第15章 不思議な女性

「宮崎……」と聞き覚えのある声が枕元に聞こえて、誰かの含み笑いの息づかいが聞こえる。

 ――ぶ、部長? さっき、唇に……。

 胸の奥がキュンと鳴いて、耳たぶが熱を帯びるのが分かる。

「宮崎……お前、大丈夫か?」

 奈々葉の目の前に里井の顔がアップになる。

 再びキュンと胸の奥が鳴いて、里井の顔が滲んだ。

「部長っ……」

「お前、何泣いてんだよ、ん……?」と里井の大きな手が奈々葉の頭を包む。

 少女の声を思い出す。

「……あの……詠美さん……あの女の子は……?」

 奈々葉は少女の声のことを詠美に話し始める。

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