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*。・。*1ページだけのストーリー集*。・。*

第4章 プリーズアンサー(※)



「んふ、おっはぁー」

「うわっ!」

 突然のキィンとした声に驚き、飛び起きた。

 何だ!? このアイドル顔キンキンアニメ声ブリッコ女は!

 なぜ俺のベッドに!? なぜ二人して裸!? なぜ筋肉痛!? 目覚ましにしてはキョーレツ過ぎる!

「お前、誰だよっ!?」
「さて、誰でしょーか?」

 そのクイズ形式ウゼぇ。ブリッコしながら語尾で首を傾げてくるのも腹立つ。

「俺が訊いてんだよ!」
「プリーズアンサー」

 ぐっ……コイツ、ブリッコのクセにピシャリとしやがって。チッ、イライラは後回しにして思い出すしかねぇ。

 昨日は、野郎だけの飲み会にて、例の如く酒を暴飲。で、たまたま居合わせた女子グループと意気投合。

 その中に、この女もいた気がする。てことは、

「昨日の女子グループの一人か!?」
「せいかーい!」

 やめろ! 壁の薄いアパートではアニメ声抑えろ!

「私とのこと、覚えてないでしょーか?」

 ……悔やむことに、記憶は居酒屋で途絶えてる。

「覚えてねぇけど、どうせヤったんだろっ?」
「……んふっ」

 含み笑いすな! 薄々感づいてはいたけどやっぱりか!

「あー悪かったよ! これでいいだろ!?」

 雑に謝罪をしてやった。頼む、許せ。

「じゃあ、どの体位でシたでしょーか?」
「はぁ!?」

 クイズ形式ウゼぇって! てか卑猥っ!

「プリーズアンサー」

 考えたくねぇ。けど、ブリッコの威圧感ハンパねぇ。

「正常位かっ?」
「せいかーい! ちなみに『駅弁』も正解でぇす」

 謎の筋肉痛は、その大技が原因か!

「ねぇ、もう一つ訊いてもいい?」
「まだ何かあんのかよっ!」

 もう疲れた。早く解放されてぇ。


「あのねぇ、
 私『危険日』なのに『中出し』をされたんだけどぉ?」

「……は?」


 キケンビ? ナカダシ?
 アハン? ワターシ ニホンゴ ワーカリマセン。

「しかも二回もぉ」

 現実から逃げる俺に、得意げなVサイン。

 二回も? 最近抜いてなくて溜まってた濃厚な液を?

 それに、よく見たらこの女……目が全然笑っていない。

 やべ。コレ、逃げたら確実に終わるヤツだ。


「妊娠したら、責任取ってくれるでしょーか?」

「ーーーーっ!」


 まさに、ザ・呪縛……。


「んふ。プリーズアンサー」


〈完〉

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