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堅実メイドの献身

第6章 そもそもメイドなるものは

ー どれにするべきなの?

調理場のさらに奥、食材のストック置き場、茶葉のストックの前にどんと陣取り腕組みすること数分。

ー そうだ、もし眠っていただけたら、、、

思いつき手を伸ばす。
カモミールの茶葉を探す。

ジャーマンカモミール・ローマンカモミール・ダブルフラワーカモミール

ー うーん、、ジャーマンとダブルのブレンドでいくか。

2種類の容器から少しずつ茶葉と取り出す。

ー でも、カモミールの気分じゃなかったら?、、、やっぱりレモングラスとペパーミントも持ってこ。

レモングラスもペパーミントも何種かあったが適当に選んでやはり少し茶葉を取り出す。

ー さて、行きますか。

ワゴンにティーセットと茶葉を乗せ、暎人の部屋に行く。

暎人は20時前に帰宅し、夕食を済ませると自室に戻っていった。おそらく雅が来るのを待っているのだろう。

コンコン

ノックするが返事はない。

「失礼致します。」

断りを入れて部屋に入る。

「ハーブティーお持ち致しました。」

「あぁ、ありがとう。」

暎人は読書中の様だ。集中しているのか返事をすると、すぐにまた書物に視線を戻した。

時計をみると21時ジャストだ。

暎人の集中を乱さない様静かに運ぶ。
何のハーブティーにするか聞こうと思っていたのだが、これだけ一心に読んでいるなら無闇に話しかけるのはよしておこう。

ー カモミールでいいか。お気に召されなかったら淹れ直せばいいもの。

お湯の入ったケトルにスイッチを入れ再度沸かし直す。
ハーブティーの場合はお湯は高めの設定にしたほうが良いからだ。
お湯が沸くのを待つ間に、茶葉を用意する。
ジャーマンカモミールの茶葉に少し、ダブルフラワーカモミールの茶葉を足す。
湯が沸いたのでポットに注ぎ入れる。ポットの中で茶葉が循環して縮こまっていたリーフが徐々に開いていく。
ポットに蓋をして蒸らしに入る。
スマホのタイマーで5分セットして待つ。

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