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「伊東さん、お疲れ様です。遅かったですね。他の人はみんな食べ終わってますよ。」

メイドの中の1人が雅に気づいて話しかけてくる。

「遅くなって、すみません。なんか残ってるものでいいので適当にください。頭使ってお腹空いちゃいました。」

そのメイドはちょっと待ってくださいね。と言ってあれやこれやと盛り付けてくれた。

「はい、どうぞ。」

「ありがとうございます。あと、ティーセットお借りしてもいいですか？あとで片付けておくので。」

お盆を受け取りながら、続けて尋ねる。ティーセットはいくつもあるので勝手に借りても問題ないが一応確認する。

「いいですよ。その辺の適当に持ってってください。」

愛想よく答えるとメイドは調理に戻る。今は旦那様方の夕食を作っているのだろう。それなりに忙しそうだ。

ありがとう。と答えて席に着く。

ー　本日の勝負飯は鯖味噌煮定食っと。あっ昼間のカツ丼食べとけばよかったかな。

取り調べみたいと思ったカツ丼も今思い返せば、験担ぎの勝負飯だ。

ー　まぁ、いいか。

黙々と口に運ぶ、朝は食欲が無かったが今は来るべき決戦に備えてしっかり食べて置きたい。

ー　今夜はきちんとお断りさせて頂きますからね。

そう心の中で強く決め、夕食を平らげる。