
who is the monster...?
第2章 逢魔時
ここは、どこだろう?
ふと気がつくと暗い森の中に俺...二宮和也は佇んでいた。
木が生い茂っているせいかあたりは薄暗く感じた。ふと腕につけた時計は午後7時頃を指していた。
「...なにかの悪ふざけ?」
はは、と乾いた笑いをこぼしながら呟いてみるも返ってくる言葉があるはずもなく、ただ風が木々を揺らした。
ただ立っていても仕方がないと思った俺は、あてもなく足を動かした。
インドアな自分がまさかこんな大自然のなかを歩き回るだなんて想像もつかないことだった。
....数時間、いや、もしかしたら1時間、2時間くらいかもしれない。
前述の通り、わかっていたことだけどインドアな自分が大自然の中、しかも夜に歩き回るには体力が足りなすぎた。
夜といえども普段歩かない俺は、多少なりとも汗をかいていたようで、男にしては少しだけ長めな黒い前髪が額に張り付いていたのを拭った。
「...〜っ、もう、なんなんだよ..」
行き場のない怒り、不安を吐き出すかのように呟いた言葉には返す人はいない。
疲れ果てた体を休めるように、ちょうど良いサイズの切り株に座り込み、顔を膝に埋めながら、あぁ〜、もう...!!と言葉にならない不安を叫ぶように声に出していた。もちろんその言葉にも、返す人は....
「どうしたの?迷子?」
いたようだ。
ふと目に入って腕時計は、午後9時を指そうとしていた。
