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愛ってほんとにいいものですね

第1章 愛ってほんとにいいものですね

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 「もしよかったら
  すこし
  その話を
  聞いてくれませんか」
 ナンパだ。
 「その人とは
  事情があって
  連絡がつかないように
  なってしまって…」
 「ごめんなさい
  わたし
  急ぎますので」
 すると、その方は、わたしに向かって、お辞儀をしているではありませんか。
 わたしは、ナンパなんて失礼だったわ、と思いました。
 「あまり
  時間はないのですが…」
 「はい
  10分というわけには
  いきませんが
  30分は
  無理でしょうか?」
 「それくらいなら…」
 「では
  あのファミレスに」
 信号が変わったら、おじさまは、サッと、わたしの車道側に寄って、にこっと笑い、
 「お嬢さん
  あなたの
  ご親戚に
  女性の画家の方は
  いませんか?」
 とおっしゃいました。
 「います
  いえ
  いました」
 「えっ
  いましたとは…」
 「詳しくは
  お店に入ってから…」

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