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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第2章 私のお兄ちゃんは過保護なんです



「えっ!?お、お兄ちゃん……?」

断るって……。
もしかして、これって告白だったの?
えっ……?
お兄ちゃんが断っちゃったの?

一人パニックになる私の腕を掴んだお兄ちゃんは、そのまま私を連れて無言で歩き出す。

チラリと後ろを振り返った私は、呆然と立ち尽くす男の子を見た。

え……
何これ……。

告白だったのか、そうじゃなかったのか……
それすらわからないまま私はその場を後にしたーー。


教室に戻ってきた私は、待っていてくれた彩奈と一緒にお弁当を広げる。

今日は彩奈と一緒にお弁当を食べる曜日。
月水金はお兄ちゃんと。
火木は彩奈と。
何故かお兄ちゃんに勝手に決められたルール。

お弁当の蓋を開けた私は目を輝かせた。

「わぁ……!美味しそぉ」

お兄ちゃんが作ってくれたお弁当には、私の大好物のハンバーグが入っていた。

早速お箸で一口大に切ると、ハンバーグを口の中へ入れる。

美味しい。幸せだなぁ……。

「で、さっきのどうだったの?」
「さっきのって何?」

お弁当を頬張りながら尋ねる私に、彩奈は呆れ顔で口を開いた。

「さっきの告白」
「……わかんない」

そもそも告白だったのかすらわからない。

「さっきの人、人気あるんだよ? 確か……山崎斗真って名前だったかな」
「そうなんだ……」
「あのねぇ……もっと関心持ちなさいよ。本当に彼氏作る気あるの?」
「だって……」

本当に何だかよくわからなかったのだ。

昔からそう。
男の子に呼び出されると、必ず何処から聞きつけたのかお兄ちゃんがやって来た。
そして結局よくわからない内に終わっているのだ……。

「絶対に彼氏作るもん!」

ヤケクソ気味にそう言うと、私は止まっていた手を動かしてお弁当を食べる。

そんな私を見た彩奈は「はいはい、できるといいね」と呆れた顔をして溜息を吐いたーー。


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