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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第2章 私のお兄ちゃんは過保護なんです



昼休み、見知らぬ男の子に呼び出された私。

どこまで行くんだろう?
そう思いながら、目の前の背中に黙って付いて行く。

お腹空いたなぁ……。
今日のおかずは何かな。

そんな事を考えていると、目の前を歩く男の子が突然立ち止まって振り返った。

ーーー!?

すぐ後ろを歩いていた私は、そのまま男の子に突進してしまう。

「……ぅっ……痛い」

ぶつけた鼻をさすっていると、突然ガシッと肩を掴まれた。

「ごめんね! 大丈夫?」

心配そうに私の顔を覗き込む男の子。
よく見ると、とても可愛らしい顔をしている。

さっきまでちゃんと顔を見ていなかったから気付かなかった。
たぶん、凄く女の子に人気がありそう。

申し訳なさそうに私を見つめる男の子は、きっととても優しくて性格も良い。
そんな気がする。

「はい……大丈夫です」

私がそう言って顔を上げると、ホッとしたのか「良かった」と言って笑った。

こんな所に連れてきて、一体私に何の話しなんだろう……。

『花音ちゃん、ちょっと話しがあるので付いて来て下さい』

さっき教室で言われた言葉。

何故私の名前を知ってるの?
私は目の前の男の子に面識がなかった。

「あの!」

突然真剣な顔で声を発した男の子に、私は思わずビシッと硬直してしまう。

「俺、花音ちゃんの事がーー
「断る!」

ーーー!?

目の前の男の子の声を遮って放たれた言葉に、驚いた私はビクリと肩を揺らす。

そのままゆっくりと後ろを振り返ってみると、いつの間に来たのかそこにはお兄ちゃんが立っていた。

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