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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第3章 君はやっぱり変でした



「花音ちゃん!」

突然呼ばれた声に振り返ると、いつぞやの何とか君。
えっと……確か名前は……山崎くん、だったかな?

確かお兄ちゃんが危ないって言ってた気がする。
それを思い出した私は、何が起こるのかと身構える。

ポケットに手を入れた山崎くん。
その行動をビクビクしながら見守る。

「これ、良かったら一緒に行かない?」

突然差し出された何かに思わず目を瞑《つぶ》ってしまった私は、ゆっくりと目を開くと恐る恐る目の前を見た。

ニッコリと微笑む山崎くんの手元には、ヒラヒラと揺れる細長い紙切れが……。

「……あっ! これ行きたかったスパ!」

差し出された山崎くんの手をガシッと掴むと、その手に握られたチケットを覗き込む。

ここは今話題の、最近出来たばかりの巨大スパ。
中には色んな施設が揃っていて、岩盤浴や温泉やプールがあって、施設内は全て水着で移動できる。

勿論、飲食店も色々あって、一日中いても楽しめる。夢のような施設だ。

「あっあの、花音ちゃん……」

頭上からの声に視線を上げると、山崎くんの顔が何だか少し赤い。
熱でもあるのかな……?

「二人きりじゃあれだから……何人かお互い誘って行かない?」
「うんっ! 行きたい!」

笑顔で答えると、山崎くんは一度ホッとした様な顔を見せると笑顔になった。

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