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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第19章 ★君とハロウィンパーティー




ーーーピンポーン

「あっ!みんな来た。私出るね」

料理の準備をするお兄ちゃんにそう告げると、私はリビングを出て玄関の扉を開けた。

「「「ハッピーハロウィン!」」」

仮装をした彩奈や斗真くん達がニコニコと微笑む。

「ハッピーハロウィン! お菓子ちょうだいっ!」
「あんたねぇ……来て早々カツアゲみたいな事言わないでよ」

私の言葉に呆れた顔をする彩奈。

「だって……普通はそうでしょ? ハロウィンて」
「あれは子供だけよ」
「えーじゃあお菓子ないの……?」
「だいたいね、逆よ。花音が私達にお菓子渡すのよ」

彩奈の言葉にガックリと肩を落とす。

だって毎年ひぃくんとお兄ちゃんはお菓子くれるのに……。

「……か、花音ちゃん。お菓子はないけどケーキは買ってきたから。皆で食べよ?」
「本当っ?!」
「うん」

ケーキの箱を私に見せると、ニッコリと微笑む斗真くん。

やっぱり優しい。

「斗真くんありがとう! ……皆どうぞ入って。お兄ちゃんがね、いっぱい料理作ってくれたんだよ」

笑顔でそう告げると、皆を家に迎え入れる。

「……響さんまだ来てないんだ?」

リビングを見渡した彩奈は、そう言って私に訊ねた。

「うん、もう来るんじゃないかな」

紙コップに人数分のジュースを注ぎながら答える私。

「楽しみだね、王子様」
「うん」

彩奈の言葉に笑顔で頷く。

ーーーピンポーン

「あっ!お兄ちゃん、ひぃくんだよ。出て」

ジュースの準備で忙しい私は、そう伝えるとお兄ちゃんに任せた。

暫くして戻ってきたお兄ちゃん。
何だか顔を引きつらせ、リビングの扉の前で突っ立っている。

どうしたの?

「お兄ちゃん……?」

私の言葉にゆっくりと視線を移したお兄ちゃんは、私を捉えると口を開いた。

「お前がリクエストしたって本当か?」
「え……?」

何が?
……王子様の事?

そんなに引かなくてもいいじゃない。

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