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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第5章 そんな君が気になります



黙ってモグモグとお弁当を食べる私は、チラリと隣にいるひぃくんを見た。

お昼休憩になり、今私はお兄ちゃん達と一緒に中庭に来ているのだけど……
さっきの告白はどうなったのだろう?

それが気になって仕方がなかった。

隣でニコニコしているひぃくんを見ると、いつもと変わらなく見える。

聞いて……みようかな。

「ひぃくん、さっきのって……どうなったの?」
「んー? さっきのって何?」

お弁当を食べる手を止めたひぃくんが、私を見て小首を傾げる。

「さっき、告白されたんでしょ……?」

少し顔を俯かせて、チラリと様子を伺う。
すると、ピタッと固まったひぃくんが目を見開いた。

え……な、何?
聞いちゃマズかったのかな。

「か……花音……花音……っ」

プルプルと震える手を私に向けて伸ばし、瞳を揺らすひぃくん。

そのままガバッと私に抱きつくと、ひぃくんが突然大声を上げた。

「可愛すぎるよ、花音っ!お嫁に来てくれるの?! ありがとう! 大切にするからね!」

どういうこと……?
私の質問はどこにいったの……?

「おい、響」

ギロリとひぃくんを睨むお兄ちゃん。
その声に振り向いたひぃくんが、嬉しそうに口を開く。

「翔《かける》、聞いた?! 花音がお嫁に来てくれるって!」

そう言ってニコニコと微笑むひぃくん。

私の腕を引っ張ってひぃくんから離したお兄ちゃんは、小さく溜息を吐くと口を開いた。

「聞いてないし、言ってない」

シレッとした顔をするお兄ちゃんは、自分の隣に私を座らせると、再びお弁当を食べ始める。

「言ったよー! 確かに言った!」

いや……言ってないです、ひぃくん。
私そんな事一言も言ってないよ……。

そんな事より、私の質問はスルーですか?
結構勇気出して聞いたのにな……。

そう思うと、私はガックリと肩を落とした。

「告白が気になったって事は、俺の事が好きだって事でしょ?! 」

ーーー!?

ひぃくんの発した言葉で、私の顔には一気に熱が集中する。
そして見る見る内に真っ赤になってしまった。

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