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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第7章 君は私の彼氏でした!?



「ダサッ」

私を見つめる彩奈が真顔でそう言った。

……酷い。
確かに今の私の姿は凄くダサイ。
でもそんなにハッキリと言わなくても……。

「……ごめんね」

一緒にいるの恥ずかしいよね……?

少し顔を俯かせた私は、チラリと彩奈の様子を伺う。
呆れたような顔をした彩奈は、小さく溜息を吐いた。

「私は別に平気だけど。真夏にカーディガンなんて着てるからおかしいと思ってた……花音も大変ね」

そう、Tシャツが大きすぎて袖が服からはみ出てしまうので、私はカーディガンを着てここまで来たのだ。

地獄のように暑かった……。
その苦労を彩奈はわかってくれるのね?
なんて素敵な友よ……!

「一生ついてきます!」
「は?」

ガバッと抱きつくと、彩奈に塩対応をされる。
でも決して嫌がらない。
そんな優しい彩奈。

「ーー花音」

彩奈に抱きついたまま声のする方を見ると、ニコニコと笑顔のひぃくんが両手を広げて立っている。

小首を傾げてニコニコと私を見つめるひぃくん。

「行ってあげたら? 待ってるよ」
「えっ……やだよ」

何故か私が抱きつくのを待っているひぃくん。
するわけないのに……。

「海に行こっ」

私はそう言うと、ひぃくんを無視して彩奈と歩き始める。

「見えるところにいろよ」

後ろからお兄ちゃんに声を掛けられ、私は「はーい」と返事をしながら海岸を歩く。

周りは勿論水着だらけで、Tシャツを着た私は結構目立っている気がする。
私は手に持った浮き輪を頭から被ると、Tシャツの上から腰に装着した。

何となくマシな気がする……。

そう思った私は、隣で冷めた顔をする彩奈に気付かないまま、海へ向かって歩いていた。

「花音可愛いねー。陸で浮き輪つけてるよ」
「目立ってるな……」

お兄ちゃん達がそんな事を言っていたとは知らずに……。

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