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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第1章 私の幼なじみはちょっと変



テーブルに三人分の朝食を並べたお兄ちゃんは、私の目の前に座るとひぃくんを睨んだ。

「……響。お前さっきこっち座ってただろ」
「んー。最初からこっちだったよ?」

ニッコリ笑って小首を傾げるひぃくん。

嘘つき……。
さっきそっちに座ってたのに。

そう思いながらひぃくんを見ると、ニコリと笑ったひぃくんはサラダに盛り付けられたプチトマトを指で掴むと、私の口へと押し込んだ。

その手をペロリと舐めるひぃくん。

「もう一個食べる?」

呆然とする私に、ひぃくんはニコニコしながらプチトマトを差し出す。

私の目の前にある、プチトマトを持ったひぃくんの指。
その指が私の唇に触れる寸前、お兄ちゃんがひぃくんの腕をガシッと掴んでプチトマトを食べた。

「痛いよ翔。指噛んだー」
「煩《うるさ》い。黙って食べろ」

痛い痛いと文句を言いながら朝食を食べ始めるひぃくんと、シレッとした顔で朝食を食べるお兄ちゃん。

そんな二人を眺めながら、私は口の中に入れられたプチトマトを噛んだーー。

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