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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第8章 そんな君が大好きです



抱きしめられていた身体をゆっくりと離されると、ニッコリと微笑むひぃくんが私を見て口を開いた。

「もう一回言って?」

……どこを?

「一緒にいたい……」
「んー違うよー。花音、そこじゃないよ?」

小首を傾げてニコニコと微笑むひぃくん。

もしかして……好きって……ところ?
ムリムリムリムリっ!
恥ずかしすぎるよ。

チラリとひぃくんを見ると、ニコニコと微笑みながら私の言葉を待っている。

どうしてまた言わなきゃいけないの……。
何でちゃんと聞いててくれないのよ……ひぃくんのバカっ。

「……好き……」

真っ赤になりながらそう伝えると、ひぃくんはフニャッと嬉しそうに笑った。

「俺も花音大好きー」

幸せそうに微笑むひぃくんに、私もつられてクスリと笑みが漏れる。

ーーードンッ

突然大きな音が聞こえ、花火が開始したのだと私達に知らせる。

「花火……」
「始まっちゃったねー」

すぐ横を見ると、ヒュルヒュルと空高く打ち上がった光がパッと綺麗な花火を見せた。

「……花音は俺の大切なお嫁さんだからね」

花火から視線を移すと、とても優しい笑顔のひぃくんと視線が絡まる。

「……うん」

私の返事にニッコリと優しく笑ったひぃくんは、私の頬に手を添えると優しくキスをした。

私の腕からポトリと落ちるひよこ。

え……。

私から離れたひぃくんは、私の顔を見つめてニッコリと優しく微笑む。

私……今、ひぃくんとキス……。
キス……しちゃった……。

そう認識した途端に、一気に熱の上がる私の顔。
きっと今、物凄く真っ赤だと思う。

恥ずかしさに顔を俯かせると、下に落ちたひよこをひぃくんが拾い上げた。

パンパンと軽く汚れを落としたひぃくんは、私にひよこを差し出してニッコリと微笑んだ。

「はい、おっぱい落ちたよ?」

……クッションだよ。

こんな時でさえ、いつもと変わらないひぃくん。

すっかりおっぱいが名前みたいになってしまったひよこを受け取ると、私はニコニコと微笑むひぃくんを見つめた。

ちょっぴり変なひぃくん。
きっとこれからもそれは変わらない。

だけど、私はそんな君が大好きですーー。


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