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風に吹かれて

第7章 愛惜

私は青担である。
山担でもある。

そんで。
彼らのホームであるグループのファンである。
「5コイチ」ではない。

が、これまでずっと、5人がコチャッと固まって、キャッキャしてる姿を見ることで幸せを感じてきた。

5人の関係性や、5人の中の彼、5人の中の2人は殊更に愛でてきた。

現在の状況は寂しい。
そして、淋しい。



夢と現実の境目はどこにあるのか。

彼らは職業としてやっているのだし、ファンはお金を払って応援する。
それでも、この関係性のベースには愛がある。

疑似恋愛、と一言で言われてしまったら、そうですね、としか返事のしようもないことだけれど。

今までずっと、単なる幻ではなかったよ。

彼らの存在で自分の世界が豊かになった。
日常生活を送りながら、励まされて、支えられて、幸せをもらってきた。

嘘や偽りだと思ったことは一度もない。
虚構だと思ったこともない。

いつでも、こちらサイドと彼らとの間には、愛があったと思っている。



勝手な想像だけれど。
彼らにとっても同じだろうと…。

仕事ではあっても、1対他、5対他であっても。
この関係性が、金銭とは全く別の所で彼らの日常を励まし、支え、幸福感をもたらして来ただろうと。

奇蹟のように美しい、貴重で希少で、得難いもの。
それを赤君は『夢』と表現した。

この完璧に美しい夢を、このまま宝箱にしまいたい。
その為に出来ることは何でもする。
仕事としての責任も果たす。
どうか一緒についてきて、見守って欲しい。

そういう意味だと解釈してる。



20年かけて作り上げた夢に、結婚という一人の男性の現実が持ち込まれて。

『20周年、2020年という一区切りで』

そう青君が切り出したのに。
話し合った末の5人の総意だと、会見でも言っていたのに。

区切りがつく前に浮き上がってしまったことで、明らかにそれ以前とは変わってしまったように感じる。

各々のファンに向かって呼びかけてくれる言葉を聴くにつけ、5人→それぞれの道へ、と、一区切りを前にして変化せざるを得ないメンバーの心情を想う。



否定はしない。
言えない事情もあるのだろう。
あの優しい人達は、それを認めた。

5人としての言葉はもう言えないから。
だから今こうして、自分のファンにだけ向けた言葉を伝えてくれてる。

淋しい。



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