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快楽の籠

第3章 這い回るもの

部屋の中は、やや薄暗い照明が照らしていた。
壁や床は黒塗りで、ひんやりした感じだ。

中央には小さなテーブルが置かれている。
その上にはフォトフレームがこちらに施を向けて置かれている。
気になり僕は回り込んで覗きこむ。

その写真は、先ほどの部屋の女性と同じらしい。
胸から上が写っていたが、やはり記憶はない。

写真を覗きこんでいると。
カチャっと音がする。
僕が入ってきたドアが閉められる音だ。
ドアがロックしないように開いたままにしていたが、閉まったのか。

そちらをみると、真っ白なベビードールの女性がたっている。
肩口まで伸びた髪の毛の中には、幼さの残るぱっちりした眼差しが光っていた。

知らない女性。
二十歳そこそこぐらいの若い印象だ。

立ち尽くしている僕に、女性は素早く近づいてくる。
僕は後ろに一歩たじろいで下がるが、壁に背を止められた。
そこに、体をすり付けて来た女性が、顔を伸ばしてくる。

僕の、唇をこじ開けるように女性の舌が差し込まれる。
重なった唇、温かな肉が口内をなめあげてくる。
僕は驚くが、女体の柔らかさを押し付けられ、肉棒を自分の体と女性に挟まれてびくんと跳ねてしまう。

舌をからめとられ、体液を流し込まれる。
「あふん、んあ」
女性の声が漏れる。
かき回されると舌はされるがままに、心地よさを堪能する。

「ぷ、はあ」
女性は唇を離す。
そしてこちらをじっと見つめると、歯を出してニコッと笑う。

「ミナです」女性は言った。「若いって思いました?」
ミナは片足の膝を僕の股の間に差し込んで、スライドさせる。
内側のさわられなれない辺りはくすぐったく、しかしぞわっとする感触。

「今から私に責められちゃうんですからねえ」

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