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快楽の籠

第2章 唇の奥

眠ってしまったのか。
あるいは一瞬だったのかもしれない。

カスミにしぼりとられたまま、意識が遠くなって。
手足の拘束は解けていて、ソファーにだらんと座っていた。

僕は部屋を見回した。
当然カスミはいなかったし、部屋の様子も変わらない。
最初に見た、あの女性の絵はそのままだった。

ふと、立ち上がって見つめてみる。
記憶のない女性。
と、ここはなんだろうという疑問がわく。

最後の記憶から、次はここに来ていた。
起こったことを考えるかぎり、夢の中にも思える。
それにしてはリアル過ぎる。

進むしかない、か。
いくぶん期待もしつつ。
肉棒をそそりたてたまま、奥のドアに手をかけ、開くとそこは。
登り階段。

進むしかない。
僕は階段を登り、その突き当たりにある新たなドアを目指した。

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