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快楽の籠

第5章 うごめく肉体

ドアを開いた奧は、暗い廊下だった。
天井に吊るされた明かりは心もとない。

それでも、先に進むしかこの場所はないようだ。
ひたひたと、裸足の自分の足音が響く。
しかしヒヤッとした感じはなく、一糸まとわない肌には、生暖かな感覚さえ覚える。

十数歩の突き当たり。
そこは両開きの重そうな扉があった。
先ほどとは違って、横に開くためと思われるボタンがある。

ここまで来たら、一番奥まで見てみたい。
好奇心というより、欲望がもたげてくる。
おそらくこの先には、また同じように応えてくれる何かが待っているに違いない。

僕はボタンを押した。
重そうな見た目と違い、スッと開く扉。
室内は廊下より明るく、目がなれるのに少しまばたきした。

天井から壁紙までは淡いベージュ、床はフローリング。
室内は広く、ここにも大きめのベッドが置かれている。
しかし、室内に一番目立つのは、白い、女性の姿を形どった像だった。

肖像画、写真。
様々な形で見てきたが、この姿は。。

僕の思考を遮断したのは、その像の後ろから現れた女性だった。
一糸まとわぬ姿。
均整の取れた柔らかそうな体で、二つの膨らみの上には自信たっぷりの笑みが浮かぶ。

ショートカットをなびかせるように僕の目の前にたつ。
「キョウカよ」
女性は手を伸ばして、こちらの手を絡めとる。
グッと引き寄せられると、キョウカはまた自信たっぷりの笑みでこちらの瞳を覗きこんだ。

まだ一歩ぐらいの距離がある。
キョウカの舐めるような視線は、僕の下半身へ注がれる。
淫靡な視線を待つまでもなく、キョウカの肢体が発する魅了に僕の下半身は怒張していた。

「こんなにして、私たちたしてほしいのねぇ」
僕の後ろから、伸びてきた手が玉を擦る。
キョウカは、それを前で見つめている。

後ろから柔らかい肉の感触に抱かれる。
もう一人、一糸まとわぬ女性が僕の肉棒へ指先を絡めていた。

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