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快楽の籠

第1章 快楽の入り口

なにも考えられず、息を整えていた僕に、エリカは言った。

「ねえ、気持ちよくなったねえ。でも、まだまだ始まったばかりだよ」

始まったばかり。どういうこと?

「気持ちよくなりにきたんだからあ、もっともっと感じないと。ねえ、ほら、体は正直だね」
と、僕の肉棒は、放出したばかりなのに、いきりたったままだ。

え、なぜ?

「いっぱい気持ちよくなって、たくさん満足しないとね。
「快楽の籠」へようこそ。いっぱいいっぱい搾り取ってあげるよ。
あなたが感じたいと思う限り、気持ちよくなれるんだから。
ね、どんなことしたい? どんな風にして気持ちよくなりたい?
もっと気持ちよくなりたかったら、あなたが望む限り、ずっと気持ちよくなれるから。。」

エリカの言葉は、よくわからなかった。
でも、自分の欲望は放出しても、燃え上がるばかりだ。
気持ちよく、なりたい。

「また、後でね」
エリカはそう言うと、ベッドから降りる。
入ってきた時のヒールを履くと、こつこつと視界から遠ざかっていく。

このまま、縛られたまま?
僕が望む限り?

その疑問にふと思考がめぐっていると。
手を縛っていた紐が緩んでいた。
手だけじゃない。
足も。

ベッドから起き上がる。
部屋のなかを初めてしっかり見回す。
どこにでもある、アパートの少し広目のような部屋。
ベッドの他はなにもない。

エリカの後を追わねば。
肉棒が収まらないまま、僕はエリカが歩いていった方へ向かった。

そこにあるドアに、手をかけて。
開いた先へ僕は歩みを進めた。

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