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快楽の籠

第2章 唇の奥

ドアを開けた先は。
廊下、だった。
長く一直線に伸びた廊下。
先は行き止まりだった。

先に進む以外に道はなさそうだ。
エリカは奥にいるのだろうか?

少し歩くと、奥にたどり着く。
なんの飾り気もない、木製のドアが突き当たりにある。
他になにもない以上、この中に進むのだろう。
僕はドアを開けた。

部屋はフローリングの部屋で、一人がけのソファーがひとつだけ。
しかし絵画がひとつだけ飾られていて、女性の絵だ。
ふと眺めるが、記憶にあるような気がする。

部屋の奥に、もうひとつドアがあった。
近づいてノブを回してみるが、開かない。
鍵がかかっているようだ。
部屋には窓もなく、明かりが照らしている。

戻る?
しかしさっき入ってきたドアも開かなくなっていた。

行き止まり、なのだろうか。
僕はソファーに腰かけた。
他になにもできない。

エリカの言ったことはなんだったのだろう。
そう思考を巡らすと一瞬眠気が訪れる。

ふと、目を開ける。ソファーに座って少しまどらんだようだ。

ちゅぱ、じゅぷ、ちゅぷちゅぷ。
その音に視線を落とすと、僕の下半身に顔を埋める姿が見えた。
その女性。
白いシャツにタイトなスカート。

そして、いきり立ち続ける肉棒が、彼女の唇に咥えられていた。
女性は、僕が視線を送るのに気づいた。
下半身に与えられる、唇と舌の刺激。

あう、ふわ。
意識がはっきりしてくると、肉棒が女性の唇でく咥えられているのだ。

「はああ」女性はため息をついて、唇を離す。
唾液と僕の透明な体液がまじる、そんな卑猥な口紅をして笑顔を向けた。

「目覚める前からこんなにして。興奮した?」
女性はウェーブのかかった首たけの髪の毛をかきあげる。

と、自分は再びソファーに縛られていた。
いつの間に。
女性の唾液に淫らに光る肉棒は、生ぬるい感触の余韻にビクビクと震える。

「カスミ。私はね」
大人のいろけたっふりに、一度立ち上がって見せる。
「あなたを感じさせて、私も味会わせてもらうわね」

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