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夜色の狼と夜明けの華

第1章 夜色の狼

空はまだ暗い。夜明けは、まだ遠いーー。



夜色の法衣を脱ぎ捨て、一糸纏わぬ女の身体を、少年が少しずつ解(ほど)いてゆく。まるでそれはーーさなぎから孵った蝶が、ゆっくり羽をひらいていくように。



「あっ…」



女の口から儚い声がこぼれる。



「ここがいいんだ」


ねっとりとした口調。少年の唇は弧を描き、さらに指を奥へと沈めていく。必死に抵抗するが、同時に甘美な楽園が、女を咎める。





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