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勾引かしの罪

第1章 episodeⅠ

挨拶を終えた私たちは、駅を出てホテル街の方へと向かった。







外観の綺麗なホテルの前で慧斗さんが立ち止まる。


「最終確認です。今ならまだ禁忌に手を染める前に、背徳感に苛まれる前に、今まで通りの普通の日々に引き返せるけれど、どうしますか。」



落ち着いた、けれどどこか芯のある声で呟かれた言葉は、私の性(ココロ)をひどく揺さぶる。






少し考えた私は、慧斗さんに近づき耳元でささやいた。





「退屈な日常に戻りたくない。......ねぇ、知ってる?背徳感は最高の媚薬なの。私の性(ココロ)をひらいて。」

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