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森の中

第6章 6 思い出

君枝にとって聡志に出会えたことで人生に喜びを得、瑠美の存在は生きがいだった。

辛いことも多かったが常に心には愛する人がいる。何度か再婚の話もあったが聡志が触れた全身を他の男にひとかけらも触らせることはできなかった。想うだけで思い出だけで君枝は満足な日々だった。

冬樹はおそらく初めて瑠美が愛する他人であろう。

(やっと私を超える人が出てきてくれた)

まだ認識していないだろう愛する気持ちを早く瑠美が気づいてくれるように祈りながら目を閉じた。

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