森の中
第11章 11 ペア
今週も冬樹に抱かれて帰宅し、母に手を合わせてからお湯を沸かした。
(使ってくれてた)
瑠美は食器棚からペアのマグカップの片割れ取り出し、大事に撫でて、冬樹がコーヒーを飲む様子を思い返す。大きな手で優しくカップを扱い「まろやかな味になるな」と呟いていた。
香りの高いコーヒーを淹れる。元々コーヒーを好んで飲むことはなく、飲んでもせいぜいインスタントコーヒーであった。しかし離れていても冬樹を感じていたく、彼のまねをして粉のコーヒーを買い、ペーパーフィルターで淹れて飲むようになっている。
萩焼のマグカップは先々週、勤め先のスーパーで期間限定の陶器市があり様々な産地の陶磁器が販売されていた時に購入したものだ。
(使ってくれてた)
瑠美は食器棚からペアのマグカップの片割れ取り出し、大事に撫でて、冬樹がコーヒーを飲む様子を思い返す。大きな手で優しくカップを扱い「まろやかな味になるな」と呟いていた。
香りの高いコーヒーを淹れる。元々コーヒーを好んで飲むことはなく、飲んでもせいぜいインスタントコーヒーであった。しかし離れていても冬樹を感じていたく、彼のまねをして粉のコーヒーを買い、ペーパーフィルターで淹れて飲むようになっている。
萩焼のマグカップは先々週、勤め先のスーパーで期間限定の陶器市があり様々な産地の陶磁器が販売されていた時に購入したものだ。