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Melty Life

第3章 春



 熱い。身体が、……熱い。

 そうなの。興奮してるのね。よだれまで、こんなに物欲しげにして。


 小野田は、どこからか持ち出してきた電動式のスティックを起動した。いびつなカーブを描いたそれは、至るところにビーズ状の突起があって、びんびんと小刻みに動く様は、獰猛な獣のようにも見える。

 口の中、蝋が固まって気持ち悪いでしょ。

 小野田は、あかりの口許に玩具を近づけた。今思えば、ディルドだった。

 少し苦しいくらい唇を開かなければ先端も含みきれないほどの直径の玩具を、小野田の命じた通り咥えた。歯茎や舌に伝わる振動は、想像以上に強烈だった。

 唾液で滑りやすくなったバナナ状のシリコンが、口内の蝋を砕いていく間中、小野田はあかりの内股を撫でさすったりつねり上げたり、水音の立つ割れ目をくちゅくちゅとくすぐったりしていた。小野田は一端、玩具をあかりから引き抜くと、彼女自身の指を差し入れて、蝋を取り除いていった。


 …──もうちょっと、そのいやらしいよだれで濡らしておこうか。

 これから自分にブッ込まれるものを、好きなだけ濡らしておけるなんて、飼い犬にしては贅沢だよ。


 小野田の言葉を理解出来るまで、数秒かかった。

 いびつなカーブの突起だらけのスティックは、女の胎内を蹂躙するものだったのだ。 

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