
Melty Life
第3章 春
あかりが小野田を貫くこともあれば、最初のように、小野田があかりを貫くこともあった。
女の指の一本、二本では、破瓜に至らない場合もあるという。実際、あかりが自分の身体に明白な変化を覚えたのも、小野田がグロテスクな形状の玩具を用いた時だった。
開脚して、後頭部に手首を交差させられた格好で、縄があかりを這っていた。
橙色の豆電球は、気休め程度に羞恥をやわらげてはいたが、小野田の握った低温蝋燭が、あかりの表情や乳房を暴いていく。
小野田の指は、生まれたばかりの人形をいじくり回す動きをして、あかりの身体を物色していた。
指の腹が伝ったあとを、赫々と灯った焔の麓を垂れていった熱が、彩っていく。糊が効いたような現象をきたした乳首を囲って、赤い川が流れていく。とろみのある熱を連れた赤い川は、もみしだかれた二つの膨らみの丘陵を抜けて、みぞおちへ向かう。
全身が汗ばんでいた。どくどく脈打つ心臓が、小野田の耳にまで音を伝えはしないだろうか。
焦燥すれば、尚更、熱も心音も度を増した。
舌を、出しなさい。
…──っ、……!ぁうっ……。
異物はあかりの中で凝固して、唾液の量が上回った。
口内を空気に晒したまま、四肢の自由が失われた分、生理的な衝動に翻弄された表情を、あかりは小野田に向けていた。
