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Melty Life

第3章 春


* * * * * * *

「はい」

「助かったぜぇぇえええ!この借りは、必ず返す!」


 千里の体操着を宝物のように握り締めて、ゆうやは相好を崩した。

 予鈴に急き立てられるようにして、千里はゆうやと生徒達の波に揉まれて、慣れ親しんだ校舎に戻った。


 体操着を貸したところで、千里はゆうやの尋問を免れなかった。あかりと何を話していたか、どういう経緯で泣かせたのか、問いただすと、それではお前は何故覗き見していたのかと、逆に千里が尋問を受けることになった。


「ゆうやを探してたんだ。忘れ物をしたってLINEが来て、すぐに行ってやったのに、教室いないし」

「悪かったな、先に飯食ってたら、クズみてぇな生徒に会っちまってな。手間取られた」

「後輩にそういうこと言うの、良くないよ」

「宮瀬じゃねーよ。マジ、クズだった。説教かましてやった」

「何かあったの?」



 ゆうやは、テラスで昼食をとっていたらしい。千里もそこには立ち寄っていたが、すれ違っていたようだ。

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