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ご主人さまは執事さま

第2章 執事は羊さん。

車で自宅に戻ると、執事がエスコートして、
お部屋に連れていってくれた。
私の部屋に入ると私はソファーに座った。
「お嬢様はアッサムティーがお好きなんですよね?」
てきぱきと機械のようにお茶の準備がされる。
はい、と返事をしようとすると、
すっと、流し目をして
「お嬢様はどの科目もまあまあお出来になられますが、夜伽はどの程度されましたか?」
ん?よとぎ?おとぎ話じゃなくて?
なんだろう。よとぎって。
ポカンとした顔のまま、テーブルに置かれたアッサムティーに手を伸ばそうとすると、
急に執事が近付いてきて、
「エッチ、あるいはセックスならピンと来ますか?」
と、囁かれた。
『えっ!年齢イコール彼氏いない歴ですが!確かにいいな、って人はいたけど、連絡先とか知らないし、チューとかしたことないし!』
指をそっと置いたソーサがカタカタと鳴る。
絶対、顔も真っ赤だ。
「では、教えがいがありそうですね」
執事は淡々と話していく。
でも、私には大好きなアイドルグループ、『retro future』の
絶対的センター森島ジュンくんがいるのだ!
しかも、作詞作曲も出来て、ダンスもうまくて、
顔もイケメン!
パパの力を使ってお近づきになりたーい。とさえ
思っているのだ。
『私には彼氏がいますから!』
と、retro futureのポスターを指差す。
「ほう。アイドルグループのretro futureですね
。で、どなたがお嬢様の彼氏、なんですか?」
私はまよいなくジュンくんを指差す。
『夢はミネギシグループの社長にジュンくんになってもらって私はその奥さんです!』
「でも、夜伽が出来なければ、浮気されてミネギシグループが危うい、かもしれませんね。」

わぁ。何一つ言い返せない。
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