数珠つなぎ
第3章 あんたを許さない
「止めてっ!」
雅紀の手が俺の掻きむしっていた手を包む。
「触るなっ!」
その手を勢いよく払い除けると、雅紀はふらついて尻餅をついてしまった。
「ごめんっ、雅紀……」
「大丈夫?」
「お尻が痛いよ……」
苦笑いしながら雅紀は俺の手を優しく包み込んだ。
「この手は汚くなんかないよ?」
「汚い……汚いんだよ」
必死に手を振り解こうとしても、雅紀は力を込め離そうとはしない。
「この手は俺を救ってくれた手。この手は俺を気持ちよくさせてくれる手。この手は……俺と潤を繋いでくれる手」
雅紀が俺の手を頬に当てる。
「温かい、綺麗な手。俺を幸せへと導いてくれる手」
雅紀が俺の手の甲にキスを落とした。
その瞬間、俺の汚い手が消毒されて行く気がした。
きっとどんなに汚れたとしても、雅紀という存在が俺を浄化させてくれる。
俺じゃないよ。
幸せへと導いてくれるのは……雅紀。
どんなことがあっても、この手を絶対に離しちゃいけない。
そして、俺たちの手であいつらを外の世界へと導く。
大切な人がいなくなる前に……
そして俺たちと一緒に、幸せを取り戻すんだ。
「そろそろ、行くな?」
「う…ん」
俺は優しく雅紀の髪を撫でると、ゆっくりと立ち上がる。
「後で迎えに来る。でも本当に一緒に……」
「行く。俺が話さないといけないんだ」
グッと拳を握りしめた。
2人には包み隠さず俺たちの事を話す。
二宮がこの世界に足を踏み入れるのをわかっていて止められなかった事。
オーナーと俺の関係。
そして俺がこの世界に足を踏み入れた理由。
全ての根源は雅紀の家族の『死』
あんたは愛する人の家族の命を奪った。
命だけじゃない。
俺たちの幸せな時間も奪った。
だから今度はお前の全てを奪ってやる。
櫻井翔……お前を地獄に突き落とす。
「じゃあ……行ってくる」
俺はその為の1歩を踏み出した。
雅紀の手が俺の掻きむしっていた手を包む。
「触るなっ!」
その手を勢いよく払い除けると、雅紀はふらついて尻餅をついてしまった。
「ごめんっ、雅紀……」
「大丈夫?」
「お尻が痛いよ……」
苦笑いしながら雅紀は俺の手を優しく包み込んだ。
「この手は汚くなんかないよ?」
「汚い……汚いんだよ」
必死に手を振り解こうとしても、雅紀は力を込め離そうとはしない。
「この手は俺を救ってくれた手。この手は俺を気持ちよくさせてくれる手。この手は……俺と潤を繋いでくれる手」
雅紀が俺の手を頬に当てる。
「温かい、綺麗な手。俺を幸せへと導いてくれる手」
雅紀が俺の手の甲にキスを落とした。
その瞬間、俺の汚い手が消毒されて行く気がした。
きっとどんなに汚れたとしても、雅紀という存在が俺を浄化させてくれる。
俺じゃないよ。
幸せへと導いてくれるのは……雅紀。
どんなことがあっても、この手を絶対に離しちゃいけない。
そして、俺たちの手であいつらを外の世界へと導く。
大切な人がいなくなる前に……
そして俺たちと一緒に、幸せを取り戻すんだ。
「そろそろ、行くな?」
「う…ん」
俺は優しく雅紀の髪を撫でると、ゆっくりと立ち上がる。
「後で迎えに来る。でも本当に一緒に……」
「行く。俺が話さないといけないんだ」
グッと拳を握りしめた。
2人には包み隠さず俺たちの事を話す。
二宮がこの世界に足を踏み入れるのをわかっていて止められなかった事。
オーナーと俺の関係。
そして俺がこの世界に足を踏み入れた理由。
全ての根源は雅紀の家族の『死』
あんたは愛する人の家族の命を奪った。
命だけじゃない。
俺たちの幸せな時間も奪った。
だから今度はお前の全てを奪ってやる。
櫻井翔……お前を地獄に突き落とす。
「じゃあ……行ってくる」
俺はその為の1歩を踏み出した。