夢現、その後
第1章 忘却ショコラティエ
(*‘◇‘)o[side ⓐ]o
男5人が肩を寄せ合いながら暮らす社屋には
およそ似つかないような、チョコレートの香り。
誘われるようにリビングに足を踏み入れる。
そこに、神妙な顔をして、自身の顎に触れる
彼を見つけた。
あれ。
何だろう、この「既視感」。
見慣れた姿。
なんだけど、今日は何故か、彼と相対するときにいつも抱く安心感が、少し感触が違って。
ああそう、
さっきの、プードル。
もの哀しげな、もさもさとした、あの子。
「たーだいまっ」
努めて明るく、投げかけた。
振り仰ぐその顔は、
やっぱり、さっき手の中にいた、あの黒い子犬に似ていた。
男5人が肩を寄せ合いながら暮らす社屋には
およそ似つかないような、チョコレートの香り。
誘われるようにリビングに足を踏み入れる。
そこに、神妙な顔をして、自身の顎に触れる
彼を見つけた。
あれ。
何だろう、この「既視感」。
見慣れた姿。
なんだけど、今日は何故か、彼と相対するときにいつも抱く安心感が、少し感触が違って。
ああそう、
さっきの、プードル。
もの哀しげな、もさもさとした、あの子。
「たーだいまっ」
努めて明るく、投げかけた。
振り仰ぐその顔は、
やっぱり、さっき手の中にいた、あの黒い子犬に似ていた。