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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第6章 求めちゃう

「え…無理なの?」



月曜日の学校帰りに、晃くんから金曜日はやっぱり塾が休めないからデートができないと言われた。



「ごめん!テストの結果があまりよくなかったから、お母さんがうるさくてさ。塾は休めない」



晃くんはあたしに頭をさげた。



「だ、大丈夫だよ。だってせっかく授業料を払っているんだから、行かなきゃもったいないよ」



「ごめんな。俺、最近浮かれているせいか、勉強がおろそかになってさ」



あ、それ…あたしのせいだ。



晃くんは放課後にあたしの勉強を見てくれるから、自分を犠牲にしているんだ。



「こっちこそ、ごめんなさい。晃くんの邪魔をするつもりはなかったんだけど…」



「優依ちゃんは謝らないでよ。俺の責任。その代わり、日曜日は空いてるからデートしない?」



「いいの?」



「休みだから、ご飯を食べに行って、本屋に行ったり公園に行ったりしよう」



「うん。楽しみにしてる」



晃くんはあたしの家の近くまで送ってくれた。



手を繋いで歩いた。



彼の手があたたかくて、すごく僅かな時間だけどとても安心した。



「ありがとう。ここで大丈夫」



あたしたちは向かい合って、お互いに笑った。



「じゃあ、明日」



「うん。また明日ね」



そうやってお別れをすると思った。



だけど、晃くんは突然あたしを抱きしめた。



「あ、晃くん?」








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