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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第6章 求めちゃう

ドキドキドキ…



「優依ちゃん、好きだよ」



ズキン…



胸が苦しくなってくる。



「晃くん…」



あたし、あなたに言えないことをしているの。



痛いよ…



胸が痛くて、苦しい。



「優依ちゃん」



「ん…」



晃くんはあたしにキスをした。



「日曜日、楽しみにしてるね」



「うん…あたしも」



複雑な心境の中でも、彼の言葉はあたしにとって特別で、優しくて心地よかった。



彼を裏切りたくないのに…



あたしは晃くんが帰ってしまった後もずっと、その場に立ちつくしていた。



空が暗くなっていく。



いい加減にお屋敷へ帰らなきゃいけないと思うのに、なかなか足が動かない。



「お前、何してんの?」



急に背後から声をかけられてビクッと肩が震えた。



振り向くと悠樹くんがいた。



どうやらお屋敷から出てきたらしい。



「なんでも、ないよ。悠樹くんはこれから出かけるの?」



「コンビニ」



「そっか」



今の、見られてないよね…



悠樹くんはそれ以上何も言わずに、さっさと出かけていった。



あたしの腕には、まだ晃くんの感触が残っていた。



あたしも、好き…



好きなのに…











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