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ぼっち─選択はあなたに─

第16章 休憩タイム

「……ありがとう、助かったわ」

「俺は何もしてないけど?」

 こっちを小バカにしたような感じで鼻で笑うアズサを見て、逆にホッとした。
 もし今優しくされたら、アズサの胸に飛び込んで泣き崩れてしまいそうだった。これから戦う相手にそんな姿は見せられない。

「さてと、早く戻らなきゃね。メキユちゃんがお腹を空かせて待ってるわ」

 それからユズリノとアズサはメキユのもとに急いだ。メキユはお見舞いに来てくれたゲンブ・ウラユに漫才を披露してもらって、すっかり元気になっていた。三人前をペロッと平らげると、体力が回復した。

「おら、負けねえべ!」

「でも武器はどうするの? 包丁は戻ってきてないんでしょ?」

 メキユは少し考えると、

「これで戦うべ!」

 まな板をドンッと机の上に置いた。
 まな板でどう戦うのかわからないが、何も持たない弱った相手と戦うよりはマシだとユズリノは思った。

 その時、バトルトーナメント開始5分前のチャイムが鳴る。

『皆さーん、ゆっくり休憩はできましたか? そろそろバトルトーナメントを再開したいと思いまーす!』

 ユッキーメのアナウンスを聞いて、ユズリノたちの顔つきが変わった。


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